福岡デザイン専門学校

All is graphics. KIGI 植原亮輔さんから学ぶ「突き抜けるデザイン」

今回の「未来デザインネクスト2023」。特別講師は、KIGIの植原亮輔(ウエハラ リョウスケ)さんです。
KIGIは植原さんと渡邉良重(ワタナベ ヨシエ)さんが、デザイン会社・DRAFT在籍時から協働し2012年に設立されました。以来、企業やブランドのアートディレクション、グラフィックデザイン、空間ディレクションやプロダクトデザインなど、いくつものプロジェクトを手がけてこられました。

講演では、そのKIGIの10年に及ぶ生い立ちと作品を振り返りながら、
クリエイションとしてのデザインの立ち位置やアートを時として取り入れた、KIGIのしなやかな創造の源をお話していただきました。

KIGI の作品展で打ち出されている「all is graphics」が示すように、グラフィックデザインを出発点としながら、ジャンルの境界を越えてあらゆる
かたちへとその表現を展開していくその創作スタイルは、唯一無二。先進的であり「突き抜けるデザイン」そのもの。自由な発想と独創的な表現力に裏打ちされた作品の数々に、学生たちも興味深々です。

グラフィックを出発点にプロダクトに挑戦。滋賀県の職人たちと立ち上げた食器のプロダクトブランド「KIKOF」(2014)。そこから派生してオープンしたギャラリー&ショップ「OUR FAVOURITE SHOP(2015)、クリエイションの発表の“場”を作ることにも力を入れるなど、多面的な活動を展開しています。

プライベートワークやコミッションワークにも積極的に取り組み、越後妻有アートトリエンナーレ2018 大地の芸術祭に「スタンディング酒BAR・酔独楽」を出品したり、前橋のアートホテル・白井屋ホテル/ SHIROIYA HOTELでは客室のアートワークを担当。インターコンチネンタル横浜 Pier 8の開業に際しては、ホテルのアートワークとして、客室内と共有廊下あわせて42点の作品を制作したということです。

「all is graphics」が示すように、グラフィックデザインを出発点としながら、ジャンルの境界を越えてあらゆるかたちへとその表現を展開していくKIGI。植原さんと渡邉さんはお互いのクリエイティブの持ち味の違いを発揮しながら、KIGIのデザインフィールドを広げています。植原さんは、よりブランディング領域で、渡邊さんはその独特のイラストレーションを生かした商品パッケージやテキスタイル/ファッションデザインで。また近年はKIGIでアイウエアブランド・「TWO FACE」をデザインプロデュースされるなど、活躍の場を広げています。

90分の講演の後は、本校の佐藤俊郎理事長(建築デザイナー)、江副直樹先生(プロデューサー)を迎え、学生を交えてパネルディスカッション。学生から質問が次々と飛び出し、充実した特別講義の時間を過ごしました。